シャトル(羽根)といってもいろいろあります。
高いシャトルでは1ダース(12球入り)4,000円以上するものから、安いものでは1,000円程度のものまであります。
なぜこんなに価格が違うのでしょうか?
シャトルの種類
シャトルには公園など外で遊ぶナイロンシャトル、体育館で小学生などが使うナイロンシャトルやアヒル羽根のシャトル、本格的な練習用や試合用のガチョウ羽根シャトルがあります。
ガチョウは羽根が硬く、アヒルは非常に柔らかい。
どれも飛行距離はそんなに違わないのですが、飛行曲線は大きく異なります。また、打った時の打球感や音もかなり違います。
いや、飛距離が大体同じなら、試合相手も同条件なんだから安いのでいいんじゃない。 と思いがちですが、実際バドミントンを始めるとガチョウじゃないと許せなくなくなります。
何ででしょう?・・・そう、飛行曲線が変わると大会に出た時、打つタイミングが掴みにくくなるんですよね。
レジャーで公園などでたまにするなら安いもので十分です。少しの風でもあおられるので、飛行曲線なんて全く関係ないですからね。
でもバドミントンの楽しさにはまってしまった人は、ガチョウ羽根を買って下さい。個人で持ち歩きように5個入りというのもあります。
この打球感は何にも代えられません。実際、学校のクラブや社会人のサークルやクラブはほぼ全部ガチョウ羽根を使っています。
それだけにガチョウ羽根でも仕様や品質などで様々な種類があります。ここで、安価なナイロンシャトルについて説明しても仕方がないので、ガチョウ羽根について少し詳しく説明して見ます。
シャトルのグレード も参照
シャトルの作り方
ほとんどのシャトルは中国で製造されています。ヨネックスも最高級シャトル以外は中国製です。ガチョウやアヒルが世界で一番多く飼われているのと人件費の問題からでしょう。
どのように作られているのかは下の動画を見て下さい。(英語)
シャトルの品質
初心者でも参加できる市民大会の試合でもシャトルはガチョウ羽根が使われます。そして、同じガチョウ羽根でも結構高級品が使われています。
これは、高級品であるほど品質のばらつきが少なくシャトルの軌道が安定しているほか、シャトルの耐久性がいいからだといわれています。
シャトルには日本バドミントン協会が認定する最高級の第一種検定球と第二種検定球があって、各メーカーがそれぞれ検定球を発売しています。
第一種検定球は全国大会など日本バドミントン協会が主催する大会で使用され、第二種検定球は日本バドミントン協会の加盟団体(各都道府県・市町村の協会や連盟)が開催する大会で使用をされています。でも、地方大会や市民大会でも何故か、「いや、うちは一種でやる!」みたいなところがあって、初心者が出場するような大会でも一種使ってたりします。そんなに見栄張らなくてもいいのにと思いますが、いいシャトルに越したことはありません。ただ大会出場費用が高くなるのでどんなものかと思いますけどね(笑)
実際私が使って見た感想ですが、ぶっちゃけ一種も二種も、はたまた検定なしの比較的高級なシャトルも区別つきません。なんでこんなに種類があるのか? ベテランはその違いが分かるのか? ただ私が鈍感なだけなのか? でも機械で調べると僅かな違いがあるのでしょうね。
上級者が最高級シャトルを使って同じ場所を狙って打っても50cm程度の誤差は出ます。人間が打ってるんだからそれくらい狂っても全然不思議じゃない。むしろピタリと同じ場所に落下する方が気持ち悪いです。
また、どこのクラブも練習はボロシャトルを使ってるのに、意味あるのか?と思ったりもします。
同じガチョウでも安いシャトルには大きな違いがあります。
それはコルクです。
シャトルの先の丸いところにはコルクが入っていますが、高級品は無垢の天然コルクから削りだしたものでできてます。天然コルク以外に合成コルクもあって、最近は合成コルクでも無垢のコルクのような反発性があり、へたな安物の天然コルクより品質がいいものがあります。合成コルクは天然ものに比べ品質が安定しているのが特徴です。
中級品は周りだけ無垢の削り出しで、内部は粒コルク(コルクが細かくバラバラになったもの。無垢コルクの残材ですね。)に接着剤を混ぜて圧縮し固めて作ってあります。天然コルクを2層式にしているものもあります。
安いものだと、全て粒コルクでできています。
コルクの仕様まではシャトルの筒容器には表示されていませんので、実際使って見ないと見た目では分かりません。この全粒コルクならば最悪です。最初の1ゲームくらいは耐えられるけど2ゲームくらいになると、先のコルクがバラバラに潰れて柔らかくなり全く飛ばなくなります。コスパめちゃくちゃ悪いです。後の練習球にも全く使えません。
なので安いシャトルも考え物です。 しかし、メーカーによっては安いものでも全粒コルクではないものもあって、コルクの材質や構造に工夫を凝らしたりと、中にはいいシャトルもあります。シャトル代はバカになりませんので、いろんなシャトルを使ってみて安くていいものを捜しましょう。
高級シャトルは長持ち!?
高級シャトルは羽根が折れにくく長持ちするから結局お得!といわれることがあります。高級シャトルは軸が太く取れたてのフレッシュなシャトルを使ってるので弾力性があって折れにくい。安物のシャトルは軸が細く余りものの古い羽根を使ってるので乾燥して折れやすいとかいう話もあります。真偽のほどはどうなのでしょうか?
実際、高級シャトルでも去年仕入れた売れ残りのシャトルは折れやすいそうです。 私も最高級シャトルを大事に持ってましたが買って3年後に使ったら乾燥してて安物シャトルと変らなくなっていました(泣)(シャトルを長持ちさせるため去年の新品シャトルに湿ったタオルを被せて少しでも弾力性を取り戻す方法があるとか・・・)
でも、商品見ても製造年月日が書いてるわけでもないし、売れ残りかどうかわからないんですよね。軸の太さは私が見る限りそんなに変わらないような気もしますし、むしろ細くてしなる方が折れにくいんではないかとも思います。
そのような違いで、同じメーカーのガチョウ羽根でもグレードが数段階に分かれヨネックスでは8種類発売しています。8段階もの違いは毎週バドミントンやってる人でもたぶん分からないでしょう。
ガチョウ羽根シャトルのメーカーは海外ブランドのものを含めるとかなりの数があります。作ってるのはほぼ中国らしいですけど(中国にはガチョウが多い)、大手ネット通販のレビューで色んなシャトルの評価を確認してから買うといいと思います。
私は、シャトルの性能の良し悪しは羽よりコルクの方が重要だと思います。
ちなみに、頑張ってるサークルやクラブでは、ほとんどヨネックスを使ってます。ヨネックスなら安心で間違いないという神話は今も健在です。
シャトルのグレード も参照
シャトル番号(適正温度表示番号)
シャトルの種類は品質の違いだけではありません。
何と気温によっても種類があります。日本では気温によって1番~6番くらいの種類に分けられています。
つまり同じグレードのシャトルでも1番~6番まで種類があるのです。もしあるメーカーが7段階のグレードがあるとすればそれぞれに1番~6番まであるのです。よって、42種類のシャトルがあるわけです。こんなにたくさんの種類を作ってては高くつきますよね。
シャトル番号(適正温度表示番号)は以下の通り。(スピード番号ともいいます)
1番 | 夏用33℃以上 |
---|---|
2番 | 夏用27℃~33℃ |
3番 | 春秋用22℃~28℃ |
4番 | 春秋用17℃~23℃ |
5番 | 冬用12℃~18℃ |
6番 | 冬用7℃~13℃ |
で、何で気温によって番号を変える必要があるのかというと、気温が低いと空気の密度が高くそれだけ空気抵抗が多くなって飛ばない。逆に気温が高いと空気密度が低く空気抵抗が少ないのでよく飛ぶそうです。
番号は1つ変わると、30センチも飛距離が変わります。ですので番号を適当に使用すると1mくらい飛距離が変ってしまうことがあります。
これは、少しバドミントンをやってる人なら明らかに実感できます。
空気の密度ということは気温だけでなく気圧にも影響を受けます。気圧差は日によって5%くらいありますのでこれも考慮しないといけません。
ところで、気圧といえば湿度も関係しそうですがどうなんでしょうか??(笑)
つまるところ、実際に打ってみないと分からないということです。市民大会でも試合の直前に試合球で試打しますが、あれって重要ですね。
では、シャトル番号はどうやって調整しているのか分かりますか?
気温が違ってもシャトルの飛距離を同じにするため、気温に応じて羽根の向きを少しづつ変えているのです。
よく見ると、冬用は羽根一本一本が閉じていて夏用は羽根が開いています。羽根が閉じると空気抵抗が少なくなり、羽根を開くと空気抵抗が多くなることを利用して調整しているのです。何とも細かな作業です。
また、シャトルの飛びを確認するため機械で一球ずつ試打しています。大変ですね~。
でも、気温は一日中同じではありません、正式な大会ではその日の気温だけでなく大会が始まる直前にコートで試打し、最適な番手を決めているのです。(正式なコートには飛距離測定用の印が付いています)
まとめ
シャトルは種類が豊富。結構高くつくので自分のレベルにあったグレードのシャトルを選びましょう!
本格的にするならクラブやサークルに入った方がいろんな人と打てて楽しいし、シャトルもクラブやサークルがまとめ買いするので安く付きます。
たまには試合に出てみたいという方は、少なくとも季節によってシャトルの番号を使い分けているサークルやクラブに入ることをお勧めします。
シャトルのグレード も参照